2009年06月15日
Posted by {^L^} at 2009年06月15日23:30 Comment(12)

元祖きつねうどん松葉家

元祖きつねうどん松葉家
元祖きつねうどん松葉家

うどんブロガーとしては、たまにはうどんの事も書かんといかんですね。 ハイ(汗)

讃岐うどんとある意味、極致にあるとも言える大阪のうどんです。 大阪のおうどんは
出汁が美味しいと言われますが、たみ家、大田の上田、吾里丸さんあたりだと出汁の味
自体は大阪より上でしょう。 

しかし、美味しすぎるんですね。 大阪のうどんと言うのは 【 はんなり 】 としてして
る事をよしとされます。

【 はんなり 】 とは 【 あっさり 】、【 こってり 】、【 まったり 】 の三つが
合わさった味とされます。

ここで言う、あっさりは口に入れた時にそこはかとなく上品な味だそうです。

【 こってり 】 と、【 まったり 】 はどこが違うんや? と思われるんですが、こってりは、
深いコクとなめらかな舌触り、まったりは口に残るしつこさがありながら全体にあっさりと
していて余韻のある味だそうです。

大阪の味はこのはんなりが料理の基本で、例えば押し寿司は、魚と寿司飯がなれあった
味なんだそうです。  子供の頃には好きじゃなかった押し寿司も、歳をとると良さが
分ってきますが、言葉を変えれば 【 はんなり 】 が分ってきたという事かも知れません。

そんな 【 はんなり 】 を一番良く体験できるのが、元祖きつねうどんの店、松葉家です。





大阪は船場にある松葉家は、明治時代にきつねうどんを始めて出したお店として有名です。

お店の前にはその証の石柱も立っています。   なんでも、いなり寿司にヒントを得て
作ったメニューのようですが、最初は素うどんに、揚げやすり身の天ぷらを別皿に載せて
出していたら、お客さんが揚げをうどんに載せて食べるようになったとの事。

以来、うどんにも出汁にも大阪の英知を集めて完成されたのが松葉家のきつねうどんです。

端折って書くと、うどんが勝っても、出汁が勝ってもダメ、すべてが高次元でバランス
してないと、大阪では、特に舌の肥えた船場では認められなかったと言う事です。

このあたりのことは、松葉家のご主人宇佐美辰一さんの著書、【 きつねうどん口伝 】
に詳しく書かれてあります。 まあしかしこの本を読むと流石は大阪、日本中の料理の
素材が集まる中で、選りすぐりの材料を使って出汁を追求していることに驚かされます。

絶版本ですが、Amazon等で中古本が手軽に買えます。 プロのうどん屋さんは必読の
書です。

写真は二代目の宇佐美辰一さん  (レジ横に飾ってある写真です。 許可済み)


香川県人が大阪のうどんは腰がないとタカをくくってますが、小麦粉も驚く程追求して
大阪の出汁に合ううどんを作っている訳です。 とにかくうどんが主張してはダメなん
ですから。(汗)

ほんと、一口目は、上の3軒の出汁の美味しい店の方が、ガツンと来て美味しく感じ
ます。 でも食べ進むにつれて、大阪うどんの真髄がわかってきます。

揚げは甘めです。 この甘さが出汁に溶け出してきて、最後に出汁を飲干す頃にはかなり
甘めの出汁になります。 この甘さがまったりですね。 あとを引きます。

恐らくは、船場の商人がお昼にきつねうどんを食べて、このまったりとした甘さに疲れを癒され
た事は間違いありません。 



まあ偉そうに書いてますが、例えばまったく同じうどんを駅前の立ち食いうどん屋で
出されたら、同じように感銘を受けるかと言えば、それはないでしょう。

この【 はんなり 】を体に覚えさせて置くには、定期的に松葉家を訪問してきつね
うどんを食べて置く必要があります。 ともすれば、味の記憶が一人歩きして過大な
物になっては困ります。

実は前に書いた事のある高松のお揚げの美味しいうどん屋さん ですが、このはんなりを
感じるんですねぇ~~♪

松葉家のきつねうどんを食べて味の更新をし、確証が持てました。 こちらのお店もまた
紹介したいと思います。


元祖きつねうどん 松葉家                     
住所:   大阪市中央区南船場3-8-1 地図
電話     06-6251-3339
営業日   日曜、祭日定休
営業時間  11:00~19:30





同じカテゴリー(グルメ・料理 )の記事画像
なりや上福岡店
めりけんや円座店
牛肉麺 東方美食
讃岐うどん ぴっころ
釜揚げ 手打ちうどん 久保
あそこ食堂 花見山の桜
同じカテゴリー(グルメ・料理 )の記事
 なりや上福岡店 (2025-04-08 08:00)
 めりけんや円座店 (2025-04-07 08:00)
 牛肉麺 東方美食 (2025-04-06 08:00)
 讃岐うどん ぴっころ (2025-04-05 08:00)
 釜揚げ 手打ちうどん 久保 (2025-04-04 08:00)
 あそこ食堂 花見山の桜 (2025-04-03 08:00)

この記事へのコメント
ん?大阪に来られてたんですか?
言うてくれたら出かけていきましたのに。

大阪のうどんはダシに突出してる感が強いので
一口食べて讃岐うどんほどの強烈なインパクトは少ないんですよね。
和懐石なら吸い物が突出しない感じですかね。

香川では茹で上げて30分経った麺は捨てるというお店もありますが
大阪では30分以内の麺は使わないと言うお店もあるとか。

時間をかけねば作れないうどんでありながら
注文したらすぐに出てこないと嫌がる大阪人の気質はややこしい^^
Posted by PSY at 2009年06月16日 02:40
松葉家の自然酒で、お揚げちゃん食べたい~~~~^0^
Posted by シネマ大好き娘 at 2009年06月16日 03:59
地図のます目具合に感動しました!
五目並べができますね(笑)。

技術って洗練されすぎてしまうと目立たなくなるのかなというのが,
8年ほど前に大阪でうどんを食べた感想です。
今はまた色々と活発になってきてそうですね。
また食べに行きたいものです。

新しい流行も楽しいですけれども,昔からある物をもう一度見直すのもまた大事ですよね。
Posted by テル at 2009年06月16日 09:53
親知らずを昨日抜いてからおかゆとお汁と煮びたしばかりのわたしです。昼にジャムパン食べてみたけど奥にはさまるかんじで・・・腫れてるほほが邪魔してうまくたべれない・・・・っ。今週中にひくそうなんですが待ち遠しい。明日から会社、マスクでいかなきゃ。ぱくぱく食べれるのは幸せと感じました。きつねうどんが食べた~~~~いの巻でした。
Posted by 花子より at 2009年06月16日 17:58
こちらのお名前聞いた事あるよう~なないよ~な・・・

私大阪のきつねうどんはあげさんがめちゃ甘いのが苦手で・・・
以前たべた今井のきつねがそうやって・・・
でもそれが大阪のおうどんなんでしょうねぇ~


来月大阪行くときは滝井駅前をめざしてるんですが・・・
ミナミのほうはなぜかわかりにくくて
1人で行く気になかなかならんのです~~
Posted by つぶあんな at 2009年06月16日 18:06
PSY  さん>

会議で僅かな滞在でした。 お昼の会食を抜け出して
船場までダッシュ!

この本読んでなかったら必読ですよ。
塩をふるのに、右に捻るのと、左に捻るのでは辛さが違う
とか、料理人の目標ですね。
Posted by {^L^}{^L^} at 2009年06月16日 22:37
シネマ大好き娘  さん>

自然酒ってなんでしょね? 純米酒のことかな?

しのだうどんを頼むと、揚げが二枚入ってくるので
一枚をあてに飲んで、残りの一枚でうどんを
楽しめます。 (^^v
Posted by {^L^}{^L^} at 2009年06月16日 22:40
テル さん>

ほうっ! やはり見る所が違いますねぇ~

高松は城下町なんで、わざと碁盤にせず
八本松のように少し入れ違にしているそうです。

敵が攻めてきた時に角を利用して守るのだとか。。。

最近の大阪での讃岐うどんの隆盛は、言わば
はんなりが分らなくなった世代が増えたと言う事
ですね。 讃岐うどんの方が分りやすいですから。
Posted by {^L^}{^L^} at 2009年06月16日 22:44
花子 さん>

歯が痛いと食べるのが大変ですね。
大阪なら、松葉家の【 おじやうどん 】 が有るんですが。。

ほんとにうどんの中におじやが入ってるんです。(汗)
Posted by {^L^}{^L^} at 2009年06月16日 22:46
つぶあんな さん>

松葉家のきつねうどんと、たけちゃんの向かいの千とせの肉吸いは
必食です。

白庵へ行けたんなら、松葉家は楽勝です。(^^v
Posted by {^L^}{^L^} at 2009年06月16日 22:48
本日、松葉家に行き久振りに名物の、きつねうどんを食べてきました。ガッカリです。先代がいらっしゃつた時の味には、程遠く不味くて食べれたものではありませんでした。そして、店の方のあいそも、悪いし。 先代さんが、空の上より泣いていられるのでは。・・・・
Posted by こうちゃん at 2009年08月18日 21:13
こうちゃん さん>

昔の名物は軒並みそう言う状態じゃないでしょうか。
ひとつには、食べる側の口が肥えたと言う事もあると
思います。 

うどんの場合には周りに濃い味が氾濫している事も
挙げられますね。

香川でも、鯖節やどんこ、ゲソなんかを入れた出汁に
慣れるともう鰹だけの出汁にはもどれません。

現実に味が落ちている場合もあるでしょうが、小麦も
昆布も昔と違って上物を入手するのが難しくなっている
のでただ手を抜いているだけとも限りません。

ここ数年、讃岐のうどん屋さんも干ばつのせいで
小麦粉の配分を勝手に製粉会社にいじられて調子を
狂わしているところもあります。   

まわかく言う私も先代の味は知らないのですが、本を
読んだ限りでは、飲んだ瞬間美味い! と言う出汁は
目指してなかったと思います。

まあ私は懲りずに半年に一度ぐらいは寄って見ようと
思っています。
Posted by {^L^}{^L^} at 2009年08月19日 01:00
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
元祖きつねうどん松葉家
    コメント(12)