2017年06月13日
Posted by {^L^} at
2017年06月13日08:00 Comment(0)
絶品かしわ天ざる@まつばら
絶品かしわ天ざる@まつばら
新進気鋭の若手大将訪問シリーズ2軒目は高松に戻って 「 手打うどん まつばら 」 です。
麦蔵出身といわれてますが、うどんも出汁も方向性が違うのと、オープン以来進化が著しいので
「 まつばら 」のうどんは大将が黒田屋で開店資金を貯めながら自分で作り出したうどんという
方が当たっているかも知れません。
以前、まつばらの麺の進化について書いたことがありますが、右肩上がりに進化してきたうどんが
あの辺りで異彩を放ってきたように思います。 麺を口に入れた瞬間の躍動感というか踊りまくる
ような弾力に、麺の外側60%がもちもち層だと表現したくなるような麺全体に弾力があふれてます。
普通、腰のあるうどんというのは、麺の中心の70%ぐらいが水分が少なく、外側の30%が水分が多く
その弾力の差が腰と感じる訳けです。
この水分勾配のつけ方にうどん屋毎の「 妙 」が有る訳ですが、よく「 グミ 」のようだと表現する
グミは弾力が均一なので、まさにグニュグニュしただけの食感でしかありません。
つきたての餅でさえも弾力という点では均一でしかなく、麺を茹でる事によって水が麺の中に浸透
していく量を制して、心に響く弾力を得たのが讃岐うどんの素晴らしさです。キッパリ!
先日も書きましたが、イタリア人のシェフがTVでパスタのアルデンテは、麺をすすって食べると
消化が悪いため、わざと芯を残して 「 むしゃむしゃ 」 食べてもらうためだと言っていたのには
驚きました。
日本の麺文化には、讃岐うどん以外の麺も多数有りますが、さぬき人ほど麺の食感にうるさい人種
はいないと思います。 その証拠に香川県には大手製麺機メーカーが集中しています。
そんなさぬきっ子をも驚かす 「 まつばらの麺 」 ですが、とくにお店の看板メニューの「 かしわ
天ざる 」で食べるとその麺の特徴が際立ちます。
付け出しが醤油が勝っていることもあると思いますが、口に入れた瞬間に、どこか懐かしさを感じる
うどんなんです。 はやくすすり込んで 「 喉を喜ばして 」 やりたいと思いながらも、どこかまだ
もっとこの踊る感触を楽しみたいと思わせる優しさがあるんです。
大将が目指すうどんに向けてOPEN以来、研究を重ねて来て、現在は3日熟成を採用しています。
1日目は粉を練って団子にして寝かし、2日目は団子を鍛え、3日目の朝に伸ばして切って、麺線熟成
させながらその日に使い切ってしまうという流れです。
3日熟成によって小麦粉の水分が均一になるので、茹でた時の水の浸透がコントロールしやすいとも
考えられます。 それとも、顕微鏡レベルでグルテンの網目形成に影響を与えるのかも知れません。
いずれにせよ、最近1週間ぐらい熟成したうどんに注目が集まっていて、県外のうどん屋さんでは
かなりの好評価を得ているようです。 讃岐うどんは別名 「 手抜きうどん 」 と呼ばれるように
いかに工程を省略して、安くて美味しいうどんを作るかを追求したために今日がある訳なので、
1週間も寝かして商売はできませんが、まつばらのように3日ぐらいなら、取り入れるお店が今後増え
てくるかも知れません。
以前、名もないの女将が、1週間熟成のうどんを出していましたが、使っている粉が 「 麺維新 」
という特殊な粉だったので超もちもちのうどんになってました。 まつばらの麺はもっと男っぽくて
味が濃いうどんになってます。
現在この 「 男っぽいうどん 」 とちょっと溜まり系の醤油の香りの強い出汁の相性が抜群なんです。
宮崎地鶏を使用した「 かしわ天 」に関しては、もう今更書く必要もないですが、県内一と評する人も
多い訳で、まさにこの組み合わせは、 「 絶品 」 と呼ぶしかないでしょう。
どちらかというと 「 ぎっちり系 」 に入るかも知れないうどんと、おっきなとり天を4個食べても
すごくライトなのも特筆ものですね。 2軒目なのに、余裕でもう一軒いけるぐらいです。
このあたりにも、3日熟成のうどんの特徴があるのかも知れません。 とにかくまだまだ進化しそうな
まつばらのうどんですが、とりあえずは現在の 「 絶品かしわ天ざる 」 を食べる価値ありです。
過去の手打うどん まつばら 訪問記:
5月9日
3月27日
1月17日
1月16日
12月30日
12月25日
12月22日
手打ちうどん まつばら
住所: 香川県高松市寺井町1015 地図
電話 087-814-5417
営業日 金曜日・第3木曜日定休 ( 2018年9月以降変更 )
営業時間 9:00--15:00