2008年07月18日
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2008年07月18日00:06 Comment(0)
上田うどん(製麺所)
上田うどん(製麺所)
この定食屋風の店構えにやられた。 おまけにコトデン太田駅の前だ。 手打ちうどんの暖簾は
出ているが、どうせ陳列ケースに並んだ惣菜に、作り置きのうどんが出る店だと思って入った事
が無かった。
5年程前の事だ。 当時全店制覇に載っていない店を何軒か行ってみようと思った。 駐車場は
無いし、なにせ駅前の踏み切り横だ。 車は近所には停めれない。
ならばと、スクーターで行ってみた。 中には玉買いの人の行列が出来ていた。 予想していた
サバの味噌煮や、きんぴらの皿は並んでいなかった。 ここは完全にうどん屋だ。 小 160円を
頼むと、かけうどんか、つけうどんかを聞かれた。 かけうどんと返事をすると、1玉が入った
どんぶりを渡された。
すぐ横には、湯がきようの釜と、出汁のタンクがある。 その向こう側のカウンターにはネギや
生姜が並んでいる。 渡された麺は、つやつやの細麺で、X 断面をしている。 こう言う麺を
湯がくバカはいない。 そのまま出汁タンクの出汁を掛けた。 カツオの香りが立ち昇って来た。
この手の店の出汁は、生姜でなく、七味の方が合う場合が多い、例えば連絡船のうどんが良い例だ。
しかし、なにか香りに感じる物があって生姜を入れてみた。
一口食べて、X 断面がこれほどクッションの役割をして弾力を感じるのかと驚いた。 それまでにも
例えば、飯山なかむらのように伸びる麺は確かにあった。 しかし腰と歯応えをここまで残した
まま伸びる麺は初めてだ。 いや正確に言うと、全盛の頃の山越はこう言う麺だった。
出汁も昆布がかなり大量に使われていて、奥行きの深さは、もはや製麺所の出汁のレベルでは無い。
思わず、お代りに、つけうどんを頼んだ。 今度はどんぶりを手渡される前に、水を入れるか
どうか聞かれた。 夏だったので、水を入れてもらうと、ウォータークーラーの水を入れてくれた。
冷たい水で麺がキュット締まったのが一口食べて分った。 この付け出汁がまた、猛烈に甘いの
だが、東京の蕎麦屋のレベルと言っても過言では無い。
20年間、店を外見で判断して一度も寄らなかった自分を恥じた。
中北の時には 5年ぐらいしかロスしていなかったが、この店はかれこれ 20年もロスしている。
20年間このうどんを食べれらなかった自分は、なんて人生を損したのだろう。 山越級のうどんが
毎日食べられたのに。。。。 食べ終わって店を出てこのままコトデンの電車に飛び込もうかと
思った。 この頃は、鶴尾小学校の前に、これまた美味い花媛と言う、うどん屋が出来ていたので、
なんとか毎日美味しいうどんを食べれていた。 もしあの頃うまいうどんに窮していたら、ほんとに
ショックで電車に飛び込んだかも知れない。
中北の時と同じで、それから毎日、上田参りが始まった。 なにせ車の駐車が難点だが、通うちに
近くに停めて100m程歩くことにも慣れた。 甘めの付け出汁は、生姜を多めに入れることで
かなり甘さが緩和される事も発見した。 夏場は無料でスダチを入れられるので、スダチを絞ると
かなりスッキリとする。 麺友は天カスを付け出汁に入れると更にマイルドになることを発見して
メタボもそれに習っている。
実は昨年の夏までは、やはり製麺所ならではの悲しさで、タイミングが悪いと作り置きが当たる場合
もあった。 特に、 11時30分前が鬼門であまり釜が上がってない場合があった。 これも中北と
同じで、お昼直前まで湯掻くのを待つと言うお店の意気込みから来る事である。
しかし昨年『 うどんちゅー 』に参加したのを機会に、お昼時は玉売りから、食べさせる方に軸足
を向けるようになり、11時~13時ならまず、作り置きがでる事は無くなった。 作り置きの場合は、
次の釜を待つかどうかを客に聞いてくれるようになった。
そうなると、もうこの店は高松市内では最強と言う事になる。 但し、メタボも多数の麺友にこの
店を紹介したが、やはり出汁が甘口と言う事で、辛党の人にはいまいち受けがよくない。
受けるかどうかの基準は、きつねうどんが好きかどうかで分る。 セルフの店でも、何時の間にか
油揚げをトッピングしている事がある人なら、かならずこの店のとりこになるだろう。
有名な富士宮のドライブインもちやのご主人がうどん巡礼に来られた際に、この店へ案内したら
この超甘い付け出汁がいたくお気に召したのには驚いた。 なにせうどん巡りの次は高知の酒蔵巡り
に行くぐらいの辛党の方だ。 さすが、食堂経営と言う事で、160円で供されるうどんの付け出汁と
しては破格なのは、お見通しと言う事か。
この店の釜揚げはさぞかし美味いだろうと、メタボも想像するのだが、やはりお昼時の忙しい時間帯
にリズムを乱す釜揚げは一度も頼んだが事が無い。 隣の信金のおっちゃんが頼むのは何度か見た
事があるが。。。
しかし、昨年大発見をした。 この店は冷やかけは無いのだが、タンクに入れる前の出汁がポリタン
に入れて厨房に置いてある。 『 冷たい出汁をお願いします 』と頼むと、付け出汁の事か掛け出汁
の事かを聞かれるが、冷たい掛け出汁を掛けてから手渡してくれる。
いわゆる、『 ぬるかけ 』だ。 運良く釜が上がったばかりの麺が当たった場合に、このぬる出汁
を掛けると、麺がしまって最強のうどんになる。 誰がなんと言おうとも、この組み合わせは、市内最強
の、ぬるかけうどんとメタボは信じている。
このお店は、天ぷらやおにぎりは専門でないので、少量がガラスケースに並んでいるが、オプションは
取らずに、かけとつけ のようにうどんを複数食べることをお奨めする。 いくら最近、出来立ちを出すと
言っても、そこは製麺所だ。 夕方5時ぐらいまではお店は開いているがはやり 11時30~12時30分ぐらい
のゴールデンタイムに行きたい。
一つ覚えていて欲しいのは、入り口に入ってすぐに並んでいる行列は、玉買いの列だ。 食べる場合は
行列には並ばずに、ネギや生姜の置いてある奥手のカウンターに進んで、そこからうどんを注文する
システムになっている。 玉買いの列に並ぶと、一人で10玉以上購入する人もいて、中々進まない。
今はちょうど、スダチが無料で供されている時だ。 冷たい付けうどんにスダチを絞って市内最強の
つけうどんと、ぬる掛けを是非食べて欲しい。
上田うどん(製麺所) 四国新聞のうどん遍路掲載無し。
住所: 香川県高松市太田上町763-3 地図
電話 087-865-8037
営業日 日曜日のみ休み 祭日は営業
営業時間 9:00~15:00頃