2008年10月25日
Posted by {^L^} at 2008年10月25日15:30 Comment(6)

保存版 山鹿うどん

保存版 山鹿うどん

本日で旧店舗の営業を終了し、11月1日から百間町の新店で営業を再開する山鹿うどんの書き止め。



最高の絶賛が寄せられる反面、もの足りないと言う評価もある40年の歴史を誇るうどん屋さんだ。 

まずは最高の絶賛を見ていただこう。

最高の讃岐うどん「山鹿」(ファンの方のHP)
http://www.geocities.jp/ihatovozero/yamashika.html


次は、初代讃岐うどん王の盛の大将に続く、第2代目うどん王 老蟹氏の評価だ。
http://ebikani.org/udon/yamashika.htm

一見、相反する評価のようだが、これは山鹿のうどんが、現在のさぬきうどんの流れからは
外れているためおこると考えられる。

このことを検証する前に、まず山鹿を語る上で枕言葉になっている、日本を代表する俳優の
森繁久弥氏が伝授した『 きざみきつねうどん 』を紹介しなければならない。

昭和30年代の名作『 駅前シリーズ 』の最終回、駅前桟橋 の撮影のため、高松を訪れていた
森繁久弥氏が、ある日 山鹿を訪れた。 39年前の事である。

注:駅前桟橋の映画自体にうどん屋が登場することもあり、今で言う うどん屋巡りをしてい
  たのではないかと思われる。

その時に、『 きざみきつねうどん 』をお店のメニューに出すように奨めれれたそうだ。
『 きざみきつねうどん 』は京都では昔から人気の食べ物で、恐らくは高松には揚げを刻ん
で入れると言う風習がなかったため、進言したと思われる。

この、駅前桟橋と言う映画の中で森繁久弥氏は、第一観光丸の船長と言う役柄で登場する。

当時すでに、ふじやま丸 と言う日本最大の73フィートのヨット(2本マストの帆船)を所有し
瀬戸内海をこよなく愛した、森繁久弥氏は庵治の沖の兜島を購入して別荘を所有していた。

注: セカチューのロケ地の稲毛島の隣の島である。

中学生の頃からNHKの日曜名作座と言うラジオ放送で、氏のファンだった私は、ふじやま丸が
寄航した際には見学に出かけた記憶がある。

あの独特の語り調で、『 きざみきつねうどん 』の解説をする氏の姿を想像したただけで、
思わずニンマリとしてしまう。


さて、山鹿のうどんだが、一番人気のしょうゆうどんで食べると、麺の特性が良く分かる。
このしょうゆうどんは、釜ぬきで食べると、一旦水で締めて食べる両方の食べ方があるが、
頼むと、両方を食べさせてもらえる。 

普通は1玉 400円なので、両方頼むと800円になるのだが、慣習的に2玉の値段で食べさせて
もらえる。 現在だと 500円と言う訳だ。 

もっとも、どちらか片方を頼んでも、味見と称して2~3本を反対の食べ方も振る舞って
もらえる。 > 一見して観光客やうどん巡礼者と分かる場合

とにかく軽い麺である。 このあたりが、腰を求めるうどん巡礼者には違和感があるかも
知れない。 さぬきの夢2000で打った麺が、ややこの麺に近いと言えよう。

釜ぬきで食べると、さぬきの夢2000のような小麦の香りと甘味がある。 醤油が出汁醤油
ではなく、生醤油に近いものなので麺に甘味がつかない分、鎌田の出汁醤油に慣れた舌に
は、やや物足りなく思う人も多いだろう。

しかし逆に、料理人のような舌を持っている人には大受けするはずだ。 ちなみに、この
醤油はお店で掛けて出されるため、多すぎたり少なすぎたりの失敗は無い。

濃い口の醤油のため、見た目と味の薄さのギャップも楽しめる。

次に水で締めた方だが、結構締まるのだが、はりやで言うところの、二段腰にはならない。
つまり、麺の感触が均一なのが特長だ。 女将がイカの刺し身のような食感と表現するが
、確かに、あたりやの麺を鯛の刺身と表現したら、山鹿の麺はイカの刺し身と表現するのは
言いえて妙である。

つまり、釜ぬきの方は麺をよく噛んで小麦の風味を味わいながら食べるのが良い。
締めた方は、できるだけ噛まずに、喉越しを楽しむ方が良い訳だ。 この二段腰でない部分
が第2代目うどん王、海老蟹氏が物足りなく感じる点だと思われる。

麺線の状態で置いて置く事と、茹でが大釜ではなくて寸胴で少量湯がくことが影響していると
思われる。 しかし基本的には100%注文を聞いてから湯がくタイプのお店である。
何時に入っても、作り置きが出ることは無い。 

このあたりが、うどん巡礼ではなく、商用や観光で高松を訪れ、この店を紹介されて来た場合
に評価が高くなる訳だ。 同様に掛け出汁にも一切化学調味料が使われいないことも玄人好みだ。

刺し身で言うところの、活け造りでピチピチが好きな人と、寝かしてアミノ酸が増えた方
を好む人の違いのような感じと言えば、当たらずとも遠からずと言ったところだろう。

しかしこのお店の先代は、さぞかしいける口であったのではないかと思う。 醤油もそうだが
掛け出汁も、甘ったるいところが微塵も無い。 かなりドライな味付けだ。 

化調を使わないことから、掛け出汁はかなりしっかりと出汁を取ってあり濃い口だ。化調を
使わないと、味に締まりが出にくいため、材料をたっぷりと多めに使わないとならない訳だ。

さぬきでは珍しく、チンチンに温められた掛け出汁は、強烈なインパクトを感じる。 一口
飲んで、昭和30年代のうどんを思い出される方も多いと思われる。 かなりイリコの効いた
味で、京風のうどんを想像して食べると、良い意味で期待を裏切られる掛け出汁だ。

総じて、このお店は、普段料亭や老舗の蕎麦屋等に出入りしている年配の方にお奨めしたい。
女将との会話を楽しみながら、ゆったりとうどんの茹であがる20分あまりを過ごして
森繁久弥氏のネタを楽しみながら、昭和30年代のうどんを味わう。

これが山鹿の攻略方だ。

手打ちうどん 山鹿 讃岐うどん遍路
住所: 香川県高松市内町6-20 地図
電話:  087-821-7450
営業日   日曜日定休
営業時間  11:00~18:30 麺切れ終了あり 
駐車場   無し 北側に 100円P有り



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この記事へのコメント
今の時間帯に、この図は・・・きついなぁ

お腹の虫が、悲鳴をあげそうです。
わたくし事ですが、本日はよく歩きましたし・・・
Posted by NPO「風」NPO「風」 at 2008年10月25日 16:40
昔、三越でバイトしてた友人と一回だけ行った記憶が。

ところで、ついにさぬ一のあさりうどん攻略できました。
期待していた味の方向で、辛美味ストライク!シャ~ワセ。
Posted by 麺道 at 2008年10月25日 17:00
結局何十回も前を通りながら一度も入らずでした。
うどん巡りを始めた当初に入りかけたことがあったのですが
すぐ近くにお気に入りの店があって変更したことがありました。
あの当時入っていたらおそらく二代目うどん王のように
ダメだししてたかも知れません。

今日はどうしようか悩んだ末、松岡の大将にご挨拶に行ってなかったので
そちらの方に向かっていました。
琴電の中でブログを読んでいてご連絡いただけると知りちょっと後悔。
わざわざご連絡いただいたのに申し訳ありませんでした。

まぁお店が無くなるわけではないのでリニューアルの際に行ってみます。

高松に戻ってきて某店で松茸うどんを食べました。
大ぶりの松茸がたっぷり入ったうどんでめちゃウマでした。
さっそく{^L^}さんにメールでご連絡。
店名当てクイズも兼ねて(笑)。
Posted by PSY at 2008年10月25日 18:43
だんだんさん>

山鹿は三越の買物帰りに行かれた事あるんじゃ
ないでしょうか?

新店に移ってからもよろしくお願いします。
Posted by {^L^}{^L^} at 2008年10月25日 20:49
麺道さん>

あさりうどんよかったですか。
メニューの載せるように進言しておきます。
具材の歩留まりがあるんでねぇ~
Posted by {^L^}{^L^} at 2008年10月25日 20:50
PSY さん>

大阪人には全然OKと思いますよ。 出汁は薄味なものの
良く乗ります。

松茸うどんの情報ありがとうございました。
市場にコネありのプライスですね。(笑)

早速来週行って見ます。(^^v
Posted by {^L^}{^L^} at 2008年10月25日 20:52
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