2009年03月11日
Posted by {^L^} at 2009年03月11日23:22 Comment(14)

いかなご鍋@みなと番所

いかなご鍋@みなと番所
いかなご鍋@みなと番所

昨年から楽しみにしていた庵治みなと番所のいかなご鍋、3月の今頃がピークのはずです。
釜揚や、天ぷらで食べるのも大好きないかなごが、鍋になるとどんな味になるんでしょう?
わくわくしながら春の日差しを浴びながら純愛の聖地庵治町へGO!



やはり庵治港は晴天が似合います。 鏡面のような入り江の海を眺めていると心が和みます。
庵治みなと番所は、セカチュー巡りのポイントの一つ防波堤へ向かう途中にあります。

専修院と言うセイチューの冒頭のお葬式のシーンに登場する禅寺です。 20年程前から予約
のみの大鍋料理のお店だったのですが、セカチュー巡りの観光客に食べ物を提供する場所が
無いことから、6年ぐらい前からお昼にうどんや、珈琲を出すようになりました。

{^L^}もうどんの幟につられてなにげに入ったのですが、うどんはともかく道主さんの人柄と
お話の面白さにすっかりこのお店のファンになりました。  ところが通っているうちに
どんどんうどんも美味しくなってきましたが、地元の小魚で取る出汁がすばらしい進化を
とげ、さぬきのうどん史に金字塔を打ちたてたと言えるほどになってきました。



そんな番所さんから作秋、新メニューに地元特産のいかなごを使った鍋を出すと聞きました。
その時はいかなごのシーズンにはまだ早かったので、穴子鍋を頂きました。

その後、首を長くして待っていたのですが、ようやくいかなごのシーズン最盛期と言う事で
いよいよ、いかなご鍋が食べれます。 

道主さんにしばらくぶりのご挨拶をして、鍋を待ちます。 予約をしてなかったので10分
ぐらい準備に掛かります。鍋を待ちながらお話を聞くと、今年はいかなごが不漁でほとんど
捕れないらしいです。 番所さんは元網元ですから、漁師さんの網の底にまじる数十匹の
いかなごをなんとか調達できているようです。

いかなごと言うと、大量に捕れて漁船からポンプで吸い上げるところが風物詩だったように
記憶しているんですが。。。  海砂採取の弊害ですね。

さてお話を聞いている間に、鍋が沸いてきました。  どじょう鍋のいかなご版を想像して
いたのですが、卵では綴じず酒蒸しのスープ版のような感じです。

写真撮影のために、2匹ほどネギの下からいかなごをひっぱり出してありますが、10匹ぐらい
のいかなごがネギと大根おろしの下に隠れています。

鍋が沸いてきたので、いかなごを一口食べてみると骨まで食べれるどころか、殆どとろけて
ます。 なんとも言えない脂の旨味が口内に広がります。 これ人類が生きるために必要な
エネルギー源なので美味い物が来たと脳みそに即座に反応しますね。 続いて飲むスープ
の美味しさが倍増します。



こうなるともう、ネギを食べようが、いかなごを食べようが恍惚状態ですね。 大根おろし
のせいか、いかなごの脂のせいか、すごく甘味を感じます。 前回穴子鍋を食べた時に
{^L^}が出汁を一滴残さず飲み干せるようにスプーンを所望したので、今回も平たいスプーン
を付けて頂いています。 このスプーンで鍋の底のスープまで飲み干しました。

続いて釜上げうどんです。 出汁を取る小魚が毎回違うので同じ味は一度もありませんが、
今日の出汁は過去の一位二位を争う美味しい出汁でした。 うどんも今日はいつになく細麺
でしたが、腰がすごくあって出汁の美味しさと相まって、今までで食べた釜上げの中では
一番でした。  直前に濃厚ないかなご鍋を食べていてこんなに美味しく感じるのですから
どれだけ旨味が出ているかと言う事ですね。





毎回、道主さんには食文化のお話を聞かせてもらうのですが、今日も色々面白いお話を聞く
ことが出来ました。 道主さんは禅の思想の淡味(たんみ)のために地産地消を貫いている
のですが、庵治町の昔の食文化を再現したいと考えていらっしゃるそうです。

( 庵治では正月に家族が揃うと、この幸せが長く続くようにと願いを込めて長いうどんを
 打つ風習があり、このように釜の中でうどんが結ばれることもあります。 ぴょんこさん
 が前回この結ばれたうどんに大当たりしました。 当たった人には幸福が訪れるそうです。)


その一環が小魚で取った出汁ですが、いりこも、かつおも、昆布も使わずにこの美味しい出汁
が取れるのは驚きです。 高松も昔はいりこ出汁ではなく小魚や川魚、で取った出汁のはず
なので、どう言うもので出汁を取ったか研究しています。

せんじつ海産物に詳しいヒロポンさんと、いりこが高松でなぜ使われなかったかと言う話を
少しBlogのコメント欄でしましたが、どうやら昔は製造したいりこの状態がいまとは違い
すぐ脂がまわって劣化していたようです。 

今より製造技術や物資が不足していたのでしょう。 伊吹島では水が無く海水で煮ていたと
文献にあります。 本土でも元々水の少ない香川の地ですから豊富な水洗いとか煮炊きが
今程条件が揃わなかったのかも知れません。 運送も船で西讃から運んで来ていたそうです。

これに関しては今後もねばり強く研究して行きたいと思っています。

さぬきうどんの本当のルーツ、魚から取った出汁や、いかなご鍋を食べてみたい方はいかなご
のシーズンの来月ぐらいまでしょうか庵治みなと番所へ行って見てください。

いかなご鍋は 1200円です。 いかなご鍋が無い時は穴子鍋 1500円は何時でもあるようです。
うどんだけ食べる時には、祭りうどんが一番お奨めです。 穴子や、大あさりがはいっていて
魚から取った出汁で食べます。



祭りうどんは過去の日記に登場するので参考にしてください。

                        穴子鍋の日記(動画付き)
                        大鯛鍋



注: 現在メニューの構成と値段は一部変更となっています。


専修院 あじみなと番所  お店のHP
             西村道主Blog   
             BigLobeの鍋の番組(動画) 
             
世界の中心で愛を叫ぶ   ロケ地ガイド
住所: 香川県高松市庵治町6368  地図   
電話:  087-871-2026 
営業日  不定休 毎月最終日曜のみ催事の為休み  ★2013年より 火曜日定休
営業時間  11:00~



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この記事へのコメント
ハイッ( ̄0 ̄)/ 毎日幸せいっぱいですぅ~♪
Posted by ぴょん子 at 2009年03月11日 23:39
いかなごは関西(といっても兵庫県南西部)では
釘煮にして食べるくらいなので
こんな大きないかなごにはお目にかかったことがありません。
以前に香川の人に釘煮を説明したら分かってもらえませんでした。
そう大して距離が離れているわけではないのに
食べ方は大きく異なるんですね。

いかなごの釘煮、ポン酒のアテに最高ですよ^^
Posted by PSY at 2009年03月11日 23:51
坪井千夏  さん>

それはよかったですね。(^^v
Posted by {^L^}{^L^} at 2009年03月11日 23:54
PSY さん>

関西の人はいかなごの天ぷらと聞けば
掻き揚げみたいなのを想像するでしょうね。

香川でいかなご天を見た巡礼客はたいてい
わかさぎの天ぷらと思うようです。

香川も淡路も同じ3月~4月に捕りますが
淡路では当年魚のシンコ、香川では昨年魚
のふるせを捕ります。 

用途が釘煮と天ぷらの違いでしょうか? 
もちろん香川でもシンコも捕って釜上げに
します。
Posted by {^L^}{^L^} at 2009年03月12日 00:36
今シーズンいかなごはさっぱり獲れません。

大潮時のみの漁ですから出漁日数も限られています。

いかなご鍋目当てならカレンダーで大潮の確認をしてから GO!

例年今時分は、いかなごの煮付け&大きいのは、つけ焼きにします。

これが最高にうまい。三桁の赤ワイン(南十字星が見える国の)で十分に

天国が垣間見えます。番所の南隣の西幸水産は西村家の本家で番所の

西村家は分家です。この西幸水産では「いかなご醤油」を作っていて、

「はまんど」の使っている「いかなご醤油」もここのでしょう。

{^L^}さんも指摘されている様に、長年の海砂採取と安易な埋め立てに

よって、いかなごの産卵場所が激減しました。いかなごを捕食する鰆や鯛

には厳しく、私たちには寂しい食卓となっています。
Posted by 高松名物シャシャコ焼き at 2009年03月12日 01:37
イカナゴ・・・・・どじょうみたいで~~~こわいっす~~~
Posted by シネマ大好き娘 at 2009年03月12日 04:11
いかなご大好き!行ってみた~い!居酒屋けいぴょんはいかなごはバターで炒めて(ぼろぼろになりますが)ワインのあてにしてます!出汁が取れるとは!!パクらねば!!
Posted by けいぴょん at 2009年03月12日 08:19
今漁期のシンコは調子悪いみたですね。
養殖用餌料の価格も想定の4倍とかに跳ね上がっていて・・・お~怖!

先日、東北大学出身の先進気鋭の魚類学者と話してて、フルセの釜揚げの話をしたら「イカナゴの親を食べるんですか!!」と驚かれました。
シンコは食べても親は食べるイメージが沸かないそうです。アレは餌だとw

昔のイリコの脂による劣化について、了解しました。また出来る範囲で調べてみようと思います。

雑魚でとる出汁、凄く興味深いですね。
シマゲタというのは、実は隠れた美味い魚ですよ。普通のゲタより味は上だと思います。ただ、見た目が気色悪いのと小さいのが残念ですが。
スーパー等ではなかなか手に入りませんが、いただきさんなどに頼んでおくと手に入るかもしれません。
http://www.pref.kagawa.jp/suisan/html/suisan/kagawanosakana/geta/shimageta/shimageta.htm
Posted by ヒロポン at 2009年03月12日 22:21
高松名物シャシャコ焼き さん>

なんと! 大潮でしか捕れないんですか(@@)
最盛期は毎日漁に出て、網で捕ったのをポンプで吸い上げる
光景を良くニュースで見たような気がするんですが。。。

それぐらい捕れないんですねぇ~

つけ焼きよいですねぇ~ けいぴょんさんバター焼より
つけ焼の方が良いですよ。 どじょうのコロと言うのも
ありますが、あれはフライパンでコロコロ転がして炒める
んだと思いますが、いかなごは身が痛みますからつけ焼き
の方が良いですね。

{^L^}も早速つけ焼きで食べてみます。 美味しい情報
ありがとうございます。m(_ _)m

いかなご醤油は菊水だけかと思ったら、西幸水産でも作って
いたんですね。  はまんどのいかなご醤油食べた事が無い
んです。(涙)

黒ソイやメバルもシンコを食べて脂が乗りますもんね。 
いかなごが繁殖しなくなると、メバルもまずくなる?!?!
Posted by {^L^}{^L^} at 2009年03月12日 23:46
シネマ大好き娘 さん>

なにをおっしゃるシネマさん!
高松名物シャシャコ焼さんがワインのあてに
最高って書いてるじゃないですかぁ~
美味しいワインを飲むためにいかなをを
食べましょう~(^^v
Posted by {^L^}{^L^} at 2009年03月12日 23:48
けいぴょん  さん>

是非行ってください! 凄いスープですよ。
うどんの出汁も飲んで見てくださいね。

居酒屋けいぴょんすごいレベルになってますね。
もう開業しなきゃ!!

高松名物シャシャコ焼きさんが書いているように
バター焼よりつけ焼が良さそうです。
Posted by {^L^}{^L^} at 2009年03月12日 23:52
ヒロポン さん>

鰯みたいに爆発したりと波があるんでしょうかね。
今が低調なだけだと良いのですが。。。

まさかタケノコメバルがシンコをせっせと喰って
いたりして。。。\(^^;)

この間、蕎麦切り・涼ではふるせの釘にが出ました。
美味しのに、白ご飯がないので困りました。(笑)

ゲタは関東から来た人は舌平目がこんなに安いの? 
と皆驚きますが、シマゲタと言うのは食べた事が
無いどころが見たこともない魚です。 

数日前にTVで地方の売れない魚をインターネットで
高値で売って儲けると言うビジネスモデルを紹介して
いました。  

シマゲタも東京で高値で売れたりして。\(^^;)

ヒロポン さんも一度、庵治みなと番所で祭りうどん
食べて見てください。 そう言えば年間通して今の
時期が出汁が美味しいように思います。
Posted by {^L^}{^L^} at 2009年03月13日 00:12
ゲタは、カレイ目ウシノシタ科クロウシノシタ。

シマゲタは、カレイ目ウシノシタ科シマウシノシタ。

シマゲタは市場でも値段が付きにくいので、流通量が少なく、馴染みの漁師

さんからたまに頂く程度。型はゲタより小ぶりですが、味はヒロポンさんの

ご指摘通りゲタより上です。縁側部分にも味が有る。

売れない魚で、私のオススメは、ギンポとゴンズイ。

ギンポはウツボの小型に見えますが、スズキ目ニシキギンポ科

ウツボは、ウナギ目ウツボ科と、かけ離れています。

以前庵治の黒乃屋(廃業)で、「かたにぎり」と呼んで売っていて、御坊町の

有名割烹店の大将が買っていました。刺身で出すとの事でした。

小骨が多いが、蒲焼きにするとシコシコ感も有って絶品。

輪切りにして味噌汁もイイ。見た目で損しているのは魚の世界も一緒。

ゴンズイは「ギギ」とも呼んで15cm程のナマズに似て、頭部と両頬にトゲが

有り、そのトゲがギザギザ状で危険なので、流通量も少ない。

大群で行動していて、網に大量に入り、売れないので漁師は近所で捌くしか

ない。3本のトゲをきちんと処理さえすれば、安全に、おいしい煮付けで冷酒

(生でも)白ワインとも合います。
Posted by 高松名物シャシャコ焼き at 2009年03月13日 18:12
高松名物シャシャコ焼き さん>

ギンポなんて見たことも釣った事もないです。 蒲焼が美味しい
というのはウツボと同じですね。

ゴンズイは釣りの時にメゴチバサミで挟むやつですね。(汗)
これも食べたことはないですねぇ~

新鮮市場きむらは、市場を通さず庵治から魚を調達して
いるそうだから、頼んどくと入れてくれるかも知れませんね。

まだまだ美味しい魚があるんですねぇ~
やっぱり小学校で魚のさばき方を教えんといかんです。(笑)

また色々教えてください。m(_ _)m
Posted by {^L^}{^L^} at 2009年03月13日 23:07
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